ゆっくりと霞んでゆく
今日は世界が青かった
とある人が語っていた話がずっと頭の中にあるし気持ちのいい日にはそのことばかり思い出すし
わたしは青空が綺麗な気持ちのいい空、気持ちのいい日に死にたくなる
なんてことない理由で人は自死するし、ちょっとしたきっかけで人は人を殺す、あなたがまだ自死していないのは、あなたがまだ人を殺していないのは、まだ順番が回ってきてないからだと
そういう話
どうして殺したのかと聞かれて「太陽がまぶしかったから」と答える話はあまりにも有名だが、世間一般はそれをサイコパスだなんだと囃し立てるが、きっと存外そんな理由で人は人を殺すし、「なんて気持ちいい空なんだろう」とそんな理由で人は空へ身を投げる
まだ順番がきてないだけ
泣きたくなるくらい天気の良い日
歳をとるにつれてだんだんと生きやすくなってきた、昔のように、終わりっていつなんだろう、わたしはいつ終われるのだろうと考えることはほとんどなくなった
それと反比例するかのように天気が良いから、あまりにも気持ちいい日だから、死にたくなる日が増えたように思う
満ち足りているのだ
あまりにも幸福で、もう何もいらなくて、明日死んだって構いやしない、そう思って泣きながら餃子を食べた福岡
美味しかったです、明日死んでもいいくらい、と笑顔で女将に答えたら、「またおいで」と女将はそれだけ言った
またおいで
同じ福岡の、大好きな定食屋の大将もそう言ってくれた
また行くね
約束というほど大げさなものではないけど、きっとその約束だけで生きていける
大好きな人たちのことばかり思い出す、素敵な、天気の良い、あまりにも気持ちのいい日
青空がよく見えるマンションなんかに住んでなくて良かった
誕生日おめでとう